この物語のいわば主人公である流だが、多くの仲間より、慕われる、その、生き様について、まとめてみる。
流は非常に熱いキャラクター。これぞ、男の中の男。
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この父親殺しの罪状持ちのおれと、
生死を共にとまで思いつめているとあっては・・・・・・
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青雲学園校長の熱意に心動かされる。流の考え方は単純明快。
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男が男に力を貸すのに、理由なんかいらんでしょう
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弱きを助け、強きをくじく。いわゆる任侠道かもしれないが、
流は言う。自分にも弱い面はあると。だがこれから始まるであろう苦しい戦いに、誓いをたてる。
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流全次郎、男の誓いを立てるために手錠をはめるんだっ!!
<1/106・108〜109>
人をしいたげ、支配するのは許せない。男として生き抜く為に戦う、しかしこんなことは逃げたいという気持ちは無きにしもあらず、だから自分は手錠で自分を縛る・・・逃げたら男でなくなるから。
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第一ラウンドでダウンを食らったボクサーはつらかろうな。タオル投げてもらおうか、それとも残り十四ラウンドの苦しい戦いに身をさらすために立ち上がろうか、迷うだろうからな。
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流の選んだ道は・・・
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大義とは神竜を倒すことだ!!しかし大義のためといって、個人を平然と犠牲にするのは誤りだ。
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一旦決めたら引かない、そして自分自身を苦しい戦いの中に身を置きつつ、義のため、仲間のため、前へ進む。
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大杉っ!!おれの手錠を外せえっ!!流全次郎、男の誓いをやぶるんでえっ!!
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青雲学園の生徒に恩を仇で返され、裏切られた流のセリフ。伊庭が言う、流の気性の荒い一面でもある。
しかし、流はなぜに、ここまで苦しい戦いに身を置き、自らを律するのであろうか?男とは、何であろうか?
この部分はかなり重要。その中でも、流の父・統太郎の言葉、それと師・陳泰明の言葉は特筆すべきである。流の人間像を形成づけたものがここに凝縮されているといっても過言ではない。
そして、陳泰明が流に対して怒った「男として恥ずべき行為」、これが前記の男の誓いを破るとまで言って怒ったこととリンクする。
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どんなに絶望が巨大でも、それを圧倒する希望をうちたてる意思の力、私はその力を維持し続けたことを誇りに思う (父統太郎)
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男と男の間の恩義にかかることとか、約束ごとは、絶対に口外してはならぬ(陳泰明の言葉)
<6/57>
だから流は自分自身を苦しい戦いに置き、父との間のことも何があったのかは口外しない。
流は軍艦島で南条と出会い、南条が命をかけて説いた「非情」の精神を体得する。
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男の命―――
たしかに引きうけました!!
男の命をりっぱに背負って戦ってみせます!!
<11/25>
南条の「男の命」を背負い一回り大きく成長した流。
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おまえたちっ、なにをメソメソしているんでえ〜〜っ!!
南条さんたちの分もおれたちはいきるんだっ!
戦うんだっ!
忘れるな!
それがおれたちの義務なんだ〜〜っ!!
<11/36>
つねに前を向いて戦う。それが男だ!逃げたら男では無い。
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ど、どうしてそこまでして戦わなければいけないの? (山際)
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男だからだ。少しでも戦うべき戦いから身をひいたら、それで男としての誇りも命も失うことになる。 (伊庭)
<13/60>
義のために全てを捨て去り、ただ仲間と共に悪に対して戦う。
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おれたちはこの戦いのためにだいじなものをたくさんすててきた。自由で気ままな生活も、戦いに勝つまでは夢のまた夢だ。
<16/100>
男は振りかえらない。前を向いていればいい。
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長浜、過去はもどってこないんだ。
過去に生きることはできない。
歯をくいしばってでも未来に向かって生きるしかないんだ。
<16/113>
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肉親の情より義のほうが優先するといっているのだ。
<20/140>
人間の本質とは。当然、戦うより目先の幸福に溺れ、戦いを放棄するほうが楽である。
ただしそこに、男としての道はあるのか?
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いつまでもみんなとこうやって楽しく過ごせたら・・・・・
<24/84>
大事なのは今である。やるべき時にはやらねばならない。
時は待ってはくれない。前を向くといっても、
途方も無く先だけをみても仕方無いのである。
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今、ライオンにおそわれようとしているときに、
もっと自分が強くなるまでまったくれといったら、ライオンはまってくれるだろうか?
大事なのは今だ ! 今、戦うことが大事なんだ !
今、戦わない人間があとで戦うわけがない !!
戦わないためのいいわけなんて、無限に考えつけるものなんだ
!! 戦いを放棄する人間に一緒に戦えとはもういわない ! だが
戦う人間を妨げることだけはしないでくれ !
<24/99>
そして信頼のある仲間。 たとえ自分が倒れても・・・・・
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おれにはまだ大勢の仲間がいる !
仲間の輪はさらに広がる !
おれが倒れても仲間は戦いを続けるだろう !
最後の勝利はおれたちのものだ !!
そして真の仲間を作るのは、戦いを通じてのみ可能だったのだ
!
<24/161>
この言葉にすべてが集約されている様に思う。
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死んでも悔いはない。
おれは宗教には興味はないが・・・・・
キリストの言った言葉を思い出した・・・・・
一粒の麦が地に落ちて 死ななければ それはただ一粒の
ままである。 しかし死んだなら 豊かに実を結ぶ ようになる。
一粒が万粒にもなるだろう・・・・・・
<25/39〜40>
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