姉妹
概要
- 総頁数
- 87頁
- 登場人物
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要点
竜神家の娘は18歳までは誰がみても美しいが18歳から醜くなっていく。
妹ルミは母から「姉エミは竜神家の娘ではない」と聞かされるが、自分が竜神家の娘ではないと逆のことを嘯く。
姉エミは醜くならない妹に対する嫉妬から、妹をいじめる。そして醜くなることの恐怖から、気がふれて18歳の誕生日を待たずして自分で自分の顔を炎で焼いてしまう。
解説
姉は美貌に対する嫉妬により妹をいじめたこと、妹もまた美貌に対する嫉妬により嘯いたこと、二つのことは等しく、人間の醜く歪んだ嫉妬心の塊から起こった悲劇である。 どちらかといえば、妹のほうが確信犯的ずるがしこさを持っていたといえるだろうが、全く逆の配役で話が進んでも、悲劇は変わらないであろうという恐ろしいところである。
人はみな被害者意識のはげしいところがあり、しかし、他人の不幸は楽しいという、どうしようもない生き物でもある。ここで突出しているのは、紛れも無く、汚い人間の嫉妬心なのである。
自分さえ良ければそれで良いという人間があまりにも多いような気がする。しかしそれだけならば良いが、自分だけ悪ければそれでは良くないという人間のほうが多いのも事実である。
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